奥村@netnice.orgです。たいへんご無沙汰しています。
本業が忙しくなりプロジェクトがそうとう停滞してしまっていますが、来週末に都内にて
講演の機会を頂きましたので案内させて頂きます。勤務の都合があり土曜日開催と
なってしまいました。秋葉開催ということで交通の便は良いかと思いますので、もし、
お暇でしたらご参加下さい。
奥村 貴史
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第12回仮想化実装技術勉強会
日時:2008年03月29日 (土) 18:00 〜
場所: 秋葉原ダイビル13F 東大秋葉原拠点 大会議室
(http://www.i.u-tokyo.ac.jp/map/index.shtml#aki)
話者:奥村 貴史 (WIDE Project, 富良野協会病院)
タイトル: Running JVM Inside operating system kernel
概要:
カーネルの機能拡張は、従来、ローダブルモジュールに代表されるように、カーネル内フックを
利用して動作するバイナリにより実現されてきた。しかしながら、この方法では、カーネル内変数
やアドレススペースに対して無制限なアクセスが可能であることから、セキュリティ上の要請より
管理者権限が必須であった。一方、カーネル内に仮想マシンを備えユーザーコードを実行すれば、
管理者権限なしに、ユーザーやアプリケーションが処理内容に応じて柔軟にカーネルをカスタマイ
ズしていくことが可能となるだろう。とりわけネットワークI/Oは、プロトコル準拠への要請からコード
の冗長性が高く、柔軟なカスタマイズが性能、機能の両者を利する可能性が高い。
そこで我々は、カーネル内で動作する軽量なJava VMであるNVM/NYAを実装し、カーネル内VM
によるパケット処理について検討した。その結果、Java bytecodeをカーネル内実行するという本質
的に非効率なアプローチにおいても、通信性能を大幅に損なうことなく柔軟にカーネル機能を拡張
していけることが示された。また、仮想化環境においてパケット処理コードを効率よく実行するため
の最適化手法についての経験が得られたとともに、将来的な高速化に向けた基礎データを集める
ことができた。さらに、コードサイズが小さく高速動作するJava VMとしてソースコードが公開される
予定であることから、ネットワーク以外のカーネルコンポーネントの仮想化研究やアプリケーション
への組み込み用JVMとして、さまざまな用途が期待された。
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